ドライング
シャンピング、リンシングの作業から続くドライングは簡単なように見えて、実は最も技術を要します。
ドライング技能の差によって仕上がりに最も差がついてしまうからです。
被毛の状態に限って言えば、ドライングの終了がグルーミングの完了を意味すると言っても過言ではありません。
ペット美容を前提としたドライングは、文字通りの「乾かすこと」が主目的ではありません。
被毛の成分はタンパク質で、水分を含むと皮質組織の結合が軟弱となり、水分を取り除くと再び強固に結合します。
シャンピング時点で水分を含み軟弱となった皮質組織から、ドライヤーの熱により水分を取り去る際に皮質の方向性を直線状に伸ばし、好ましい形状で再結合させる作業がドライングなのです。
ドライングの方法
ハンド・ドライヤー、スタンド式ドライヤー、アーム式ドライヤー等を使用し、ブラッシングをしながら乾かす方法が一般的です。
毛量の多い犬は素早くドライングを行わないと被毛がカール状態で乾いてしまうので、バスタオルで水分を取る量をセーブしたり、作業範囲以外にタオルをかけたまま順次ドライングを行いましょう。
ハンド・ドライヤー
スタンド式ドライヤー
アーム式ドライヤー
毛流に添ってドライングする犬種
マルチーズ、シーズー、チン、ヨークシャー・テリアなど
毛流に逆らって(フラフドライ)する犬種
プードル、ベトリントン・テリア、ビションフリーゼなど
部分的にフラフドライする犬種
小型犬種のショートカット、オールドEシープドッグ、ボルゾイ、コリー、シェルティのアンダー・コートなど
ドライングの実際
1.
バスタオルで充分に水分を取ります。
被毛をもつれさせる事のないよう毛流方向に拭きましょう。
2.
乾かします。
犬を伏せさせ、ブラシを使って頭部から順に乾かします。
顔の部分にドライヤーを当てる時は手で犬の目を覆って、直接熱風が当たらないように配慮しましょう。
作業部位以外をタオルでくるんで行うのは、被毛を伸ばすことなく乾燥させないためです。
ブラシは浅く使い、スナップを利かせ、動きを早くすることで、毛先まで完全に伸ばしましょう。
この場合のドライングは毛を伸ばす事が重要で単に乾燥が目的ではありません。
四肢の先は作業のしにくい所で、被毛を縮れさせてしまうことが多いので、犬体を寝かせたり、肢を持ち上げたりして入念に仕上げましょう。
耳や頭部の被毛にはリンス液をスプレーして再度湿らせ、毛を起こすようにして伸ばしながらドライングを行うと効果的です。
頭部の被毛が乾いたらゴムで仮りに止めておくと作業がし易いでしょう。
3.
整えます。
ドライングの終了段階では被毛は静電気を帯び、ドライヤーの熱と風によって被毛が絡んでおり、皮膚になじんでいる状態ではありません。
コーミングによって被毛の絡みを無くし、毛流を正し、被毛のコンディションを整える作業はドライングの最終段階に欠くことはできません。
胸部、腹部は毛玉になりやすいので充分に乾燥させ、コームを使って確認しましょう。
4.
耳の水分を取ります。
シャンピングの前処理として耳の無駄毛を抜く事や汚れを取る作業が行われますが、シャンプー中に耳の中に水が入ることが多いため、シャンピング後ドライングの手順の中で、耳の中の水分を拭き取ることが必要です。
ドライングの注意点
ドライヤーを被毛に近付け過ぎず20cm以上離した所からあてましょう。
乾かす時のブラッシングはソフトに手早く優しく行いましょう。
ドライヤーの風量は多くし、温度はあまり高くしてはいけません。
被毛の根元部分から完全に乾かしましょう。
長毛種の場合は同じ部分を長く乾かさず、少しづつドライヤーを移動しながら乾かしましょう。
巻毛や縮れ毛の犬種は同じ部分を集中的に乾かさないと、毛が丸まったり縮んでしまいます。
顔正面からドライヤーをあててはいけません。
参考ページ:
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